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子育て記事

2022.06.10

今から始められる腸活のヒントがいっぱい
「親子で始めよう!楽しくおいしく“おなか育て”」
オンラインセミナーレポート

江崎グリコでは2022年4月に「親子で始めよう!楽しくおいしく“おなか育て”」オンラインセミナーを開催。おなかの専門家・内藤裕二先生、自身も2歳児のママであるアナウンサー・笹川友里さんを迎え、2部構成で、腸についての最新情報から今すぐ家族で始められる腸活まで幅広く学びました。その様子をレポートします。



第1部
内藤裕二先生セミナー
「親子で腸内細菌、腸内環境を考える」


Profile/内藤裕二先生


内藤裕二先生


京都府立医科大学大学院医学研究科生体免疫栄養学講座教授。消化器専門医として診療にあたる一方、同分野の最新医学に精通。消化器病学や消化器内視鏡学、生活習慣病のほか、腸内フローラや酪酸菌研究も専門。最近では「京丹後長寿コホート研究」で腸内フローラ解析に携わる。酪酸菌と健康長寿の関係などの研究をはじめ、長年腸内細菌を研究し続けている同領域の第一人者。



子どもの神経の発達には「腸内細菌」が関係

消化・吸収器官として、また免疫器官としても大きな役割を担っている腸。その中には約40兆~100兆個の腸内細菌が存在すると言われています。

ここ10年の研究で、腸内細菌はさまざまな病気と関わっていることが判明していますが、一方で神経の発達などにも欠かせないものだということも分かってきました。私たちは、小さな子ども時代から腸内細菌と上手に付き合っていくことが重要なのです。



良い腸内環境のためには生後数年がカギに

では、腸内環境はどのようにして決まるのでしょうか。実は、腸内環境は生後3~5年でほぼ決まります。腸内環境は、出産方法(経膣・帝王切開)、授乳、家族が多いか、ペットを飼っているか、ストレスがあるかなど、さまざまな影響を受けて形成されますが、実は妊娠中のお母さんの食べ物や体型なども影響します。

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日本では、特に小児アレルギーが増えてきていますが、「アレルギー=免疫の暴走」であり、実は腸内細菌の異常が原因であることが分かっています。小児アレルギーを防ぐためにも、子どもの腸内環境を整えてあげることが大切だと言えるでしょう。



健康の秘訣は腸内細菌内にある「〇〇」にあった!

子どもの長い人生、健康でいられるためのヒントが、長寿者が多い地域の調査で得られました。私たちは京丹後市で長寿な人が多い理由を調べる研究を行っているのですが、この地域の人たちの腸内細菌は、一般的な人と比べて「酪酸」を産生する菌が多いのです。この酪酸菌が健康に影響していると考えています。

京丹後市の長寿者たちは毎日の食事に、海藻類・全粒穀類・葉野菜・根菜・豆類・イモ類・果実など、実に多彩な植物由来の食べ物を多く取り入れていました。酪酸菌の多さは、この食事が関係していると推測されます。

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「世界5大健康長寿地域」の1つ、沖縄の大宜味村でも調査を行ったのですが、同様に植物由来の食べ物を幅広く取り入れていました。

良い腸内環境を作るためには、多彩な植物由来の食べ物から「食物繊維」「炭水化物」「タンパク質」を多く取り、それを継続することが大切です。ぜひ家族の腸活の参考にしてみてください。



第2部
内藤裕二先生×笹川友里さんトークセッション
「家族でできる強いカラダづくりって?」


Profile/笹川友里さん


笹川友里さん


日本女子大学を卒業後、2013年にTBSに入社。「王様のブランチ」など情報番組やバラエティー、音楽番組、ラジオなど幅広いジャンルで活躍。2017年12月、フェンシング種目銀メダリストの太田雄貴さんと結婚。2021年2月から2021年3月 setten株式会社 代表就任。アナウンサー、ファッションモデルに。2歳の女の子の母。


「玄米などの全粒穀類を主食にするのもいいですね」(内藤先生)
「野菜を食べさせなきゃ、と考えていたので気が楽になりました」(笹川さん)

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笹川さん もうすぐ3歳になる娘がいるのですが、偏食で生野菜を食べないんです。無理やり食べさせるとお互いストレスがたまるので、野菜は小さくしてハンバーグに入れたり、スープにしたりと工夫しています。ただ、子どもには一生懸命なのですが、自分がおろそかになってしまうことも。

内藤先生 例えば、食物繊維が豊富に含まれている古代米や玄米、麦など全粒穀類を主食にするのはいかがですか? お子さんに「なんでお米が白くないの?」と聞かれたら、栄養や産地の話をしてあげると食育にもなりますよ。どうしても忙しい時は、砂糖が含まれていない野菜ジュースを活用してください。

笹川さん ちゃんと野菜を食べさせなきゃ、と考えていたので、ちょっと気が楽になりました。

内藤先生 お母さんに頑張って取り入れてほしい素材を1つ挙げるとするならば、豆類ですね。炭水化物やタンパク質、ビタミンなどの栄養素をバランス良く含んでいる上、食物繊維も豊富。豆腐ハンバーグなどを工夫して作ってあげてください。

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笹川さん ぜひ実践してみます。子どもはケチャップが好きなのですが、つけてもいいですか?

内藤先生 少しならOK。ケチャップは案外砂糖や塩分が多く含まれています。砂糖や塩分の過剰摂取は腸内細菌に悪影響を及ぼすので、量には気を付けてあげてください。

笹川さん 今、子どもはドーナツが好きなので、豆腐ドーナツも作ってみたいと思います。常備しておく間食・おやつ系も、健康に配慮されたものを選んでいきたいですね。



「質の良い睡眠や早起きが腸活になります」(内藤先生)
「生活のリズムなら親が作ってあげられますね」(笹川さん)

内藤先生 腸内環境を良くするには、実は食事のほかに、体内のリズムを整えることや適度な運動も重要と言われています。

笹川さん 食事以外でできる腸活があるんですね!

内藤先生 例えば、寝る時は寝室を暗くして質の良い睡眠をとる、朝起きたらカーテンを開けて太陽光を浴びるといったことは、一見地味に感じますが生活のリズムを整えるためにはとても重要なこと。ゆとりを持って朝食を食べ、トイレに行く習慣を身に付けることで、排便反射が整いますよ。

笹川さん 生活のリズムであれば、親が作ってあげることができますね。皆さんも、一緒に頑張りましょうね!





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