【グリコパレット】「この研究は、誰かの役に立つのか」手放さなかった問いが、誰かの「すこやかな毎日」を支える

【グリコパレット】「この研究は、誰かの役に立つのか」手放さなかった問いが、誰かの「すこやかな毎日」を支える

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Glicoグループには、日々の仕事の中で自分らしさを発揮しながら、新しい挑戦や工夫を重ね、「まなび」をひろげている仲間がたくさんいます。今回は、そんな一人ひとりの想いや行動をご紹介する連載企画「グリコパレット」をお届けします。

「パレット」という企画名には、Glicoが多様な個性の集合体であることを表現したいという想いが込められています。社員一人ひとりを絵の具の“色”に例え、その色が重なり合うことで、組織全体が豊かに彩られていく――そんな姿をイメージしています。


第4回に登場するのは、パーパス実現につながるGlico独自の乳酸菌「GCL1815株」を見出し、製品化までを主導した、基礎研究所素材探索グループのツルノさん。学生時代に研究の面白さに目覚め、品質保証の仕事を通じて製品の安全を守り、お客様の毎日を支える手応えを得たツルノさんは、「研究で生み出した価値も、誰かの毎日に届けたい」と、再び研究の道を選びました。菌株の発見から、各部署と手を携えた製品化まで。研究を誰かの毎日につなげようと挑み続けた、ツルノさんの想いや取り組みをご紹介します。


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■地道な探索と柔軟な発想でたぐり寄せた、免疫機能を高める独自の乳酸菌

「この研究は、誰かの役に立つのか」——学生時代から抱き続けてきた問いが、ツルノさんを突き動かしてきた。一度は研究の道を離れながらも、専門外の免疫領域への研究へ挑み、長く眠っていた菌株ライブラリーの中から、免疫機能を高める独自の乳酸菌『GCL1815株』を見出した。
製品化の壁を前に、ツルノさんは研究の枠の外へと踏み出していく。そこには、地道に学び続ける粘り強さと、仲間を信じて壁を越えていく姿勢があった。

■学生時代に得た研究の手応えが、進む道を決めた

「研究を始めてみたら、思いのほか手応えがあったんです」。ツルノさんは、研究者としての原点をそう振り返る。学生時代、研究は不思議と性に合った。自分で仮説を立て、実験を設計し、結果を考察して、次の一手を組み立てる。論理立てて積み上げていく過程が、まったく苦にならなかった。
「学校の成績が優秀だったわけではないのですが、研究に関しては、知識を吸収することも含めて、抵抗なく取り組むことができました。初めて、自分の力を発揮できる場所を見つけたような感覚でした」。研究であれば、自分の力を生かせる。その手応えが、ツルノさんの進む道を決めた。

一方で、研究を続けるうちに、ひとつの問いが大きくなっていった。「自分の研究は、ちゃんと社会とつながっているのだろうか。そんなことを考えるようになったんです」。
その答えを探すように、ツルノさんが選んだのは、岐阜グリコ乳業株式会社(現・グリコマニュファクチャリングジャパン 岐阜工場)の品質保証室だった。微生物研究の知見を生かし、出荷する製品の安全を保証するための“最後の砦”を担う仕事である。研究から少し距離を置き、別の形で社会とつながりたいという想いもあった。 「自分たちがOKを出したものが店頭に並ぶことで、社会と直接つながる手応えがありました」と振り返る。品質保証室として経験を重ねるほど、大きなやりがいを感じるようになっていった。自分たちが最後の砦となって守り抜いた製品が、店頭に並び、お客様の手に渡っていく。「誰かの毎日に届けたい」——のちに研究へと背中を押すその願いは、品質保証室で過ごす日々の中で叶えられたと思っていた。もう研究に戻ることはないかもしれない。そう考えていたツルノさんの心を、ある出会いが動かした。

■品質保証室から再び研究へ。一度離れた研究を、もう一度選び直す

品質保証の仕事に打ち込んでいた、ある日のこと。きっかけは、工場で開かれた幹部との車座だった。江崎グリコの幹部と社員が輪になり、率直に意見を交わす場。当時、基礎研究部門を率いていた部門長が研究について語るのを聞くうちに、ツルノさんは、自分がまだ研究への想いを手放しきれていなかったことに気づいた。
研究の最前線から離れたはずだった。それでも、部門長の言葉に、胸が躍った。しまい込んでいた想いが、少しずつ呼び覚まされていく。品質保証の現場でも「誰かの毎日に届けたい」と思いながら業務に取り組んでいた。しかし、ツルノさんの胸のなかで、誰かがつくったものを守るのではなく、自分の手で価値を生み出して届けたいという想いが大きくなっていった。
その場でも、思わずいくつかの質問を投げかけていたという。ほどなくして、ツルノさんは社内公募という道があることを知る。また研究に戻ることもできるのかという高まる想いと、品質保証の現場で築いてきた日々。その間でしばらく思い悩みながらも、心は研究へと傾いていった。あの車座がなければ、GCL1815株を担うことはなかっただろう。ツルノさんは、いまもそう振り返る。
その後、ツルノさんは社内公募に手を挙げる。2019年、江崎グリコ本社の基礎研究部門へ。研究の道へ、再び自分の意思で戻ってきた。

■研究部門で探索の日々。専門の外へ、学びを広げ続ける

本社の基礎研究部門に移ったツルノさんに託されたのは、免疫機能に着目した乳酸菌の探索だった。2020年春、プロジェクトが動き出す。手元にあったのは、Glicoが長年かけて集めてきた約1万の菌株ライブラリー。その多くは、まだ機能性を確かめられていない。免疫の観点で見れば、まだ知られていない価値にたどり着けるかもしれない、宝の山のような菌株群だ。ツルノさんはまず、食品工業的に扱いやすい株へと候補を絞り込み、免疫のはたらきを測る3つの評価指標を手がかりに、一つずつ可能性を見極めていった。
しかし、ツルノさんにとって免疫はもともとの専門領域ではなかった。何を手がかりに評価すればいいのか、確かな見通しがあったわけではない。定められた3つの指標のうち1つは、適切な実験方法を設定することができず、どうしても立ち上がらない。ツルノさんはいくつかの学会へ足を運び、文献を一つずつ追いながら、他の研究者たちがどのような観点を大切にしているのかを吸収していった。「専門ではなかったからこそ、決めつけずに学べたのかもしれません。外に出て、研究者の方々が何を大事にしているのかを知ることが、大きな手がかりになりました」。

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転機は、ある学会での気づきだった。足を運んだ学会では、IL-12というタンパク質に注目する研究者が多かった。IL-12は、体が異物を攻撃する力を引き出す、免疫の鍵となるタンパク質の1つだ。「多くの研究者が大事にしている指標なら、きっとこれは重要なはず」。立ち上がらずにいた指標に代えて、このIL-12を新たな評価軸に据えられないか——。ツルノさんは、いったん定めた指標を、柔軟に見直していった。「こっちがダメなら、こっちでもいい。そうやって意味づけし直せたから、ゴールまで来られたのだと思います」。
新たに定めた指標で、絞り込んだ候補株をあらためて評価し直す。すると、3つの指標すべてで優れた結果を示す一株が浮かび上がった。GCL1815株だ。なかでも、自らの判断で評価軸に加えたIL-12の値は、ほかの菌株を大きく引き離していた。「他の菌株と比べて結果の値が群を抜いて高かった。最初は計算間違いかと思いました」。何度やり直しても、結果は同じ。立ち上げた実験系と、自分で選び直した指標によって、「これしかない」という確信に変わっていった。一つずつ越えてきた困難の分、その手応えは格別だった。外に学び、柔軟に考え、自ら指標を選び直す。その姿勢と地道な積み重ねが、GCL1815株という一株をたぐり寄せた。


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■Glicoのプロフェッショナルとともに、研究成果を製品へ

「GCL1815株に決めた瞬間、ひと仕事終えたと思ったんです」。けれど、本当の山場はそこからだった。菌株を選び抜くまでは、研究者として積み重ねてきたことの延長線上にあった。しかし、その一株を製品として世に出すには、研究だけでは越えられない壁がいくつもあった。調達部、品質保証部、事業部、商品技術開発研究所、委託先との調整。製品としてお客様に届けるためには、多くの部署と連携し、複数の検証や調整を並行して進める必要があった。
「それまで見ていたのは、菌株の可能性を見極める研究の世界でした。けれど製品化に踏み込むと、原料をどう用意するのか、品質をどう担保するのか、事業としてどう成立させるのかまで、ひとつの素材をお客様に届けるための全体像が一気に見えてきました」。例えば、GCL1815株の原料化も困難の連続だった。GCL1815株は、Glicoが見つけた独自の菌株のため、既成の原料はない。必要な条件を満たす形で培養し、粉末化し、安定して届けられる体制をつくる必要があった。

支えになったのは、Glicoのプロフェッショナル——各担当領域で専門性を磨いてきたGlicoの仲間たちを信じる気持ちだった。お客様にいち早く届けたい、そのひとつの想いの元に「どうすればできるか」を一緒に探し、何とか道を見つけてやり遂げていく。やり取りを重ねるほどに、その専門性の高さが伝わってきた。とりわけ品質保証部とのやり取りでは、「ここは絶対に手を抜いてはいけない」という、品質にかける強い意思が言葉の端々から伝わってきたという。「品質保証部から届く要望は、とても高い水準のものです。でも、その一つひとつには必ず理由がある。自分にも品質保証の経験があるから、相手の意図が分かる部分がありました。だから、様々な要望にも真摯に対応できたんです」。
厳しい指摘があっても、その裏にあるプロの判断を信頼して受け止める。必要な情報を集め、言葉を尽くし、調達や品質保証、開発の担当者の間を行き来しながら、ツルノさんは研究成果を、お客様に届く製品へと近づけていった。「どうしても形にしたいという想いがありました。でも、一人では絶対にできませんでした。無理だと思えるようなことを前に進められたのは、各部門のプロフェッショナルがGlicoにいたからです」。 研究者として見つけた一株を、Glicoの仲間とともにお客様へ届ける。部署を越えた連携の先に、GCL1815株を配合した製品は、世に出た。

■お客様の口に届いて、研究と生活が結びつく

2025年春、製品が店頭に並んだ。「製品化が見えてきたとき、ようやくリアルに感じられました。この製品で、ある人の一日がすこやかなものに変わるかもしれない。それが日本中のどこかで起きていると思うと、とてもうれしかったです」。
研究を社会につなげたい。その願いは、もともとツルノさんの中にあった。けれど、探索に没頭している間は、目の前の一株を見つけることで頭がいっぱいだったという。「探索研究を始めた途端、頭の中は研究のことだけになっていました。社会のため、という想いは、いつのまにか少し後ろに退いていたんです」。だからこそ、製品がお客様の毎日に届くところまで見届けた経験は、ツルノさんにとって大きな意味を持った。
「『お客様のために研究しています』と口にするのは簡単です。でも、実感は経験しないと持てません。製品を世に出して、それが誰かの毎日に届く。その一部始終を経験して、ようやく自分の中に落ちてきました。こういう成功体験を持つ研究員を、もっと増やしていきたいです」。言葉として理解していたことが、自分の実感に変わる。仕事の先にいるお客様を想像し、悩み、関係者と向き合い、最後まで届け切った経験が、ツルノさんにとっての「すこやかな毎日、ゆたかな人生」をより確かなものにしていった。

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■まだ名前のない価値を、見つけにいく

ツルノさんは、すでにGCL1815株の先を見ている。「まだ知られていない価値が、きっとあるはずです。お客様自身も気づいていないところに、価値を見出していきたいです」。
世の中には、まだ十分に意識されていない不調や生活課題がある。たとえば、かつては単なる「疲れ」や「年齢のせい」と考えられていた状態も、「ストレス」や「フレイル」といった言葉が生まれたことで、向き合う対象になった。名前がつくことで初めて、私たちはその状態を認識し、改善しようと考え始めることがある。「まだ言葉になっていない価値に名前をつけるような素材探索ができたら。それが、自分にとって一番の挑戦です」。
判断に迷ったときの軸は、これからも変わらない。目の前の仕事の先には、必ずお客様がいる。研究の手応えから歩き出し、一度は研究から離れ、自らの意思で研究の道に戻ったツルノさん。問い続けた先に見つけたは、GCL1815株だけではなかった。研究を誰かの毎日に届けること。その先に、自分の仕事を通じて、Glicoの目指す価値を形にしていく道があった。


●ツルノさんの推しGlico商品
私の推しGlicoは『バランスオンminiケーキ』。帰省した時に持って帰ったところ、子どもからお年寄りまで食べやすいと大好評でした。手軽に楽しめて、「おいしさと健康」の価値を両立しているところがGlicoらしい一品だと思います。もっと広く知られてほしいです。

最後に

グリコパレットはいかがでしたでしょうか?

記事の感想、商品を味わっていただいた感想など、こちらの記事の掲示板でお待ちしております。次回の記事もお楽しみに!

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研究の成果が商品になって、私たちがいただく。ありがとうございます。

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