ChallengeGlicoの挑戦

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プロジェクト/商品の簡単な概要説明

Glicoは独自技術で開発した素材「バイオアミロース™」を活用し、抗菌・抗ウイルスの効果がある「ヨウ素」を保持したオリジナルマスク「I-53 MASK」(読み:アイ・ゴジュウサン・マスク)を発売しています。その開発秘話を担当メンバーにインタビューさせて頂きました。

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Step01

今回のプロジェクト/商品開発を行ったきっかけ

実はこのマスクに使用されている「ヨウ素包接アミセル」自体は、2011年に開発していました。当時、新型インフルエンザが流行していました。その際、このヨウ素包接アミセルを使い、マスクを開発し、オフィスグリコを通して販売しました。しかし、当時の新型インフルエンザは直ぐに収束したので、マスクの販売は終了しました。
今回のコロナ禍で、このマスクをすぐに思い出しました。ただ商品化に漕ぎ着けるハードルがとても高いことが分かっていたので、躊躇していました。しかし、社内で「コロナ禍の社会に貢献するイノベーション提案」の事業公募があり、これに応募することを決めました。

応募に当たり、本当に製品を作れるかどうかが大きな課題でした。そこで提案前に方々確認を進めたところ、前回一緒に開発した社外の関係者が積極的に協力する姿勢を示してくれたことが最後の決心につながりました。

Step02

具体的なプロジェクトの内容

このマスクの特徴は、ヨウ素を安定に保持しているマスクと言うことです。ヨウ素自体は、昆布やワカメなどに多く含まれるミネラルの一種で、重要な栄養素です。また一方でヨウ素は抗菌・抗ウイルス効果が高く、手術や患部の消毒、家庭用のうがい薬に使われています。しかし、ヨウ素はとても気化しやすい性質があり、マスクなどの不織布に安定して保持させることが大変困難でした。この問題をGlicoが開発した機能性繊維「アミセル」を使うことで解決しました。

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Step03

今回の取組で苦労した事・学んだこと

実はヨウ素包接アミセル不織布が作れる機械は日本国内で1台しかありません。その機械は2013年頃に、所有していた会社が売却した為に、どうなっているのか分かりませんでした。その為、このプロジェクトを始める上で、この機械を探すことからスタートしました。さらに機械を見つけたのですが、長時間稼働していなかったので、とても動く状態ではありませんでした。まずはこの機械が動くようにすることが、このプロジェクトの鍵でした。幸い、機械は動きました。 また2011年は、共同研究先の会社と一緒に分担して開発を進めていました。しかし今回のプロジェクトでは、全てをGlicoがやらなければなりませんでした。一から生産体制を組んで、一つずつ問題を洗い出していきました。コロナ禍で早くマスクを作らねばという焦りと、本当にできるのだろうかという不安と闘いながら、問題を一つずつ解決していきました。

Step04

今後Glicoでどんな挑戦をしていきたいか

研究の成果が商品化されて世の中の役に立てることができることは、企業の研究者としてとても大きなやりがいだと感じます。一方で、商品化は研究のみで実現できることではなく、様々なスキルのメンバーの協力が不可欠です。今回、I-53 MASKの商品化のような挑戦がGlicoで実現できたことを、とても誇らしく思うとともに、大きな自信につながっています。この経験をもとに、まだまだある研究成果を更に社会に役立てるべく、新たな挑戦を続けていきたいと考えています。

写真:チーム