ChallengeGlicoの挑戦

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民間連携ボランティア制度とは?

Glicoでは社内で培った技術や経験を活かし、開発途上国の社会課題の解決に貢献することを目的とし、2016年度よりJICA(独立行政法人国際協力機構)「民間連携ボランティア制度」を活用した途上国への社員ボランティア派遣を行っています。派遣される社員は社内公募制度で募り、社内やJICAでの選考を通過した後、それぞれ途上国へ青年海外協力隊として1年間派遣されます。同制度を活用し、ベトナムへ派遣されていた新卒採用担当赤司が、エクアドル、ガーナへ派遣された2名の社員に現地での活動や現在の業務とついて、話を伺いました。

写真:徳永直也
Step01

なぜJICA民間派遣に応募したのですか?

徳永「自身を通じてお客様に美味しさや商品が持つ価値を届けたいと思い、2003年江崎グリコに入社しました。入社後は、置き菓子サービス<オフィスグリコ>の拠点管理者として6年間、菓子・冷菓のセールスとして8年間従事しました。培った幅広いスキルや経験を途上国の人たちに役立つことがあれば挑戦してみたいと思い、応募を決めました。また異文化の環境でビジネス経験を積み、将来Glicoのビジネス拡大により貢献したいという想いもありましたね。」

尾崎「私は機械工学の専攻だったのですが、食という身近な商品の調合から製造まで幅広く携わりたいと思い、2017年江崎グリコへ入社しました。入社後はチョコレートの生産技術グループに配属され、新製品導入やコストダウン取り組みに従事しました。入社後にこの制度を知り、日本国内では経験できないような異文化の環境下で自分の力を試してみたいという思いがあり、応募することを決心しました。」

赤司「お2人とも日本以外で挑戦してみたいという気持ちがあったのですね!私自身は国内セールスとして5年間従事した際に、Glicoが創業当時から大切にしている「おいしさと健康」の価値を国内にとどまらず世界中の人に届けたいという思いが強くなり、応募を決めました。」

Step02

実際に派遣されてみていかがでしたか?

徳永「派遣先のエクアドルでは主にカカオやコーヒーの生産から製品化までのサポートと地元商品の販路拡大を行いました。現地の農家の方々と一緒に働いていましたが、何度も何度も挫けました(笑)。言葉の壁にぶつかり、習慣の違いに戸惑い、プロジェクトを上手く進めることが出来ず、全部投げ出して早く帰国したい!!と思ったこともありましたね。現地では大量生産したものを安価で売り捌き、即現金化することを優先する方が多かったのですが、将来性を考え、より付加価値を付けて高価で販売できるように品質を高める提案を一軒一軒の農家宅へ訪問し、丁寧に説明して回りました。最初はすぐに協力してもらえませんでしたが、キーパーソンとなる人巻き込みながら、少しずつ協力者を増やしていき、何とか目の前の課題を一つひとつ乗り越えていきました。 」

尾崎「私は西アフリカのガーナに派遣され、現地化粧品メーカーの生産性向上や新規販路開拓に携わりました。 派遣される前は現地の人の役に立てるか、異国の環境に適応できるかなど不安が多くありましたが、実際に活動が始まるとGlicoでの業務経験を活かせる場面が想像以上にあり、実際に配属先の5S活動や受発注オペレーションの改善提案、現地製品の日本への新規販路開拓など多くの活動を行うことができました。それでも現地メンバーとの価値観の違いで衝突することが多々ありましたね。例えば自分が「こうした方がいいのではないか」と思うことと、現地の人が私に求めることのギャップにはよく悩みました。そういう時には対話を重ねることで歩み寄りを図りました。」

赤司「現地では苦労の連続ですよね。私もお2人同様、言葉も習慣も文化も違う多種多様な同僚と同じ目標に向かってアクションを起こすことに苦戦しました。」

写真:尾崎隼人
Step03

今の業務で現地での活動はどう生きていますか?

徳永「帰国後はグループ調達部でカカオ・チョコレートの原料の調達に従事し、現在は間接購買グループでGlicoグループの物品やサービス契約の交渉業務を行っています。特にお取引先様と交渉する場面や協力関係を強化していくという面で海外経験が活かされていると思います。また、現地での何度も農家へ足を運び関係性を構築した経験から、以前にも増してメンバーとの打合せを段取よく丁寧に重ねるようになり、より計画的に業務を進められるようになっていると思います。

尾崎「現在は国内製造部門における海外拠点との窓口を担当しており、国内外の各部門における製造条件の調整や合意形成など、密なコミュニケーションが求められています。ガ-ナでは、異文化だったからこそ現地の方が自分に何を期待しているか、どんな課題を持っているかなど丁寧にヒアリングし、それに対して自分がどんな活動をすることができるかなどをじっくり対話する機会を多く設けました。その経験で身に着いた丁寧なコミュニケーションはニーズが異なる関係者と円滑に合意形成をしていくうえで非常に役に立っていると感じます。 」

赤司「お二人とも派遣先での経験が活きてますね!貴重な経験をどう業務に活かしていくかが、JICA派遣のポイントだと考えています。」

Step04

今後Glicoでどんな挑戦をしていきたいですか?

徳永「昨今、全てのモノやサービスの価格が上昇しており、調達基盤の強化が喫緊の経営課題として認識しています。パーパス実現に向けてGlicoグループ全体で一致団結できるよう間接購買グループが架け橋となって、品質の良いモノやサービスを適正な条件・価格で購買できる仕組みを構築していきたいと思います」

尾崎「Glicoグループ未進出国でのサプライチェーン構築に取り組みたいです。世界には、新興国での生活習慣病患者の増加やグローバルサウス問題など、Glicoグループが貢献できる課題が多くあると考えています。 Glicoの製品が持つ健康価値を通じてお客様の課題解決に寄与できるよう、より多くの国や地域に商品を届けていきたいです。 」

赤司「お二人とも本日はありがとうございました。Glicoのパーパス「すこやかな毎日、ゆかたな人生」の実現のために、JICAでの経験を活かして社員一丸となって取り組んでいきましょう。 」

写真:左から赤司、尾崎、徳永