「離乳食はよく食べていたのに、急に食べなくなった」
「時間をかけて作ったのに、ほとんど残されてしまう」と悩む保護者は少なくありません。
1歳児がご飯を食べない7つの原因と今日からできる対処法
1歳頃は、体と心が大きく発達する時期です。
成長の過程とわかっていても、「栄養は足りている?」「何か問題があるのでは?」と不安になりますよね。
今回は、管理栄養士の資格を持ち、1児の母としての経験をお持ちの丹治さんに、
1歳児がご飯を食べない原因と、家庭でできる対処法について伺いました。
1歳児がご飯を食べない7つの原因
1歳児がご飯を食べない理由はさまざまです。
食べ物の固さや生活リズム、心身の発達など、いくつかの要因が重なっていることもあります。
子どもの様子を振り返りながら、考えられる原因を見ていきます。
①食形態(固さ・大きさ)が合っていない
1歳頃は、噛んだり飲み込んだりする力がまだまだ発達の途中です。
歯の生え方や口の動かし方にも個人差があり、食べ物が硬すぎたり大きすぎたりすると、口から出すことがあります。反対に、やわらかすぎる食感を嫌がる子もいます。
②新しい食材への警戒心(食物新奇性恐怖)
食物新奇性恐怖とは、新しい食べ物や見慣れない食べ物を口にすることをためらったり、避けたりする傾向のことです。
食物新奇性恐怖は生後1年以内にも現れることがあり、1歳半から2歳頃に強まりやすいとされています。(文献1)。一度食べなかっただけで「嫌い」と決めず、焦らず見守ることが大切です。
③お腹がすいていない
1歳頃は、胃の容量が小さいため3回の食事だけで不足しやすいエネルギーや栄養素を補うため、
必要に応じて1日1〜2回の補食をとります。
補食やおやつの量が多すぎたり、食事の直前に飲み物をたくさん飲んだりすると、食事の時間になっても十分にお腹がすいていないことがあります。
④食事より遊びへの興味が勝っている
行動範囲が広がる1歳頃は、身の回りのさまざまなものに興味を示すようになります。
食事中でも、おもちゃやテレビ、家族の動きなどに気を取られ、食べることに集中できない場合があります。
⑤自分で食べたい(自我の芽生え)
「自分でやりたい」という気持ちが高まり、大人に食べさせてもらうことを嫌がる場合があります。
食事の拒否ではなく、手づかみやスプーンなど、食べ方へのこだわりが表れている可能性もあります。
⑥体調不良・歯が生えることによる不快感
風邪による鼻づまりや喉の痛みなどがあると、食欲が落ちたり、食べにくさを感じたりします。
食事量に合わせて、元気があるか、排便に変化がないかなど、全身の様子も確認しておくと安心です。
また、乳歯が生える時期には、違和感や痛みから機嫌が悪くなる場合もあります。
⑦イヤイヤ期の始まり
イヤイヤ期が始まる時期には個人差があり、1歳頃から自己主張が強くなる子もいます。
食事中の「イヤ」も、必ずしもその食べ物が嫌いという意味ではなく、自分の意思を伝えようとしている可能性があります。
イヤイヤ期の食事については、「#4イヤイヤ期の子どもがご飯を食べない原因と対処法」の記事もご覧ください。
1歳児がご飯を食べないときの7つの対処法
それでは、前にご紹介した7つの原因に対応する対処法をご紹介します。
子どもの様子に合うものから試してみてください。
①食形態を食べる力に合わせる
離乳の完了は生後12〜18か月頃が目安とされていますが、噛む力や飲み込む力には個人差があります。
歯ぐきで噛める固さを目安に、子どもの食べる様子に合わせて固さや大きさを調整します。
口から出す、丸のみする様子がある場合は、一段階やわらかい食形態に戻す方法もあります。
②新しい食べ物は少量から繰り返し出す
新しい食べ物は、食べ慣れた料理と一緒に少量だけ盛りつけるのがおすすめです。
一度食べなくても無理強いせず、日を空けて再び食卓に出してみます。
見る、触れる、口元まで運ぶといった行動も、その食材に慣れるために大切な過程です。
余裕があれば、食べた量だけでなく、そのような小さな変化も記録するとよいでしょう。
③食事のスケジュールと補食の量を見直す
食事と補食の時間をおおよそ決め、食事前にお腹がすくリズムをつくりましょう。
補食は食事の代わりではなく、不足しやすいエネルギーや栄養素を補うものです。
次の食事に響く場合は、時間・量・飲み物のとり方を見直します。
④食事に集中しやすい環境を整える
テレビを消し、おもちゃを視界から外します。
足裏が床や足台につく椅子を使うと姿勢が安定しやすく、子どもの手に合った食器も食べやすさにつながります。
「同じ椅子に座る」「スタイをつける」「いただきます」といった食事前の流れを決めておくのも一つです。
⑤自分で選ぶ・食べる機会をつくる
「赤と黄色、どっちのスプーンにする?」など、簡単な選択肢を用意します。
自分で食べたがるときは手づかみ食べを取り入れ、見守れる範囲で「自分でやりたい」という気持ちを尊重しましょう。 手づかみ食べを進めたい場合は、「#17手づかみ食べ」の記事も参考にしてください。
⑥体調に合わせて無理をせず様子を見る
風邪による鼻づまりや喉の痛み、歯が生えるときの不快感がある場合は、無理に食べさせず、食べやすい固さや温度に調整します。
食事量だけでなく、元気があるか、水分をとれているか、排便に変化がないかなど、全身の様子も確認しましょう。
⑦「イヤ」を受け止め、選べる場面をつくる
自己主張が強くなる時期には、まず「イヤ」という気持ちを受け止めます。
食べる順番や食器など、子どもが選べる場面をつくり、食べることを無理強いしないようにしましょう。
食べる意欲を育てるために意識したいこと
原因に応じた対処に加えて、食事の時間を安心して過ごせるようにすることも大切です。
家庭で取り入れやすい3つのポイントを紹介します。
家族と一緒に食べ、楽しい雰囲気をつくる
家族がおいしそうに食べる姿を見ることも、子どもにとって食べ物に親しむ機会になります。
毎回は難しくても、休日や時間に余裕のあるときに一緒に食卓を囲むだけで十分です。
「美味しそうだね」「一緒に食べると楽しいね」などと声をかけてあげるのも良いでしょう。
家族との会話や明るい雰囲気が、食事を楽しむきっかけになります。
食べた量だけでなく、できたことにも目を向ける
食べないと心配になりますが、無理強いや、食べないことを責めるような声かけは避けたいものです。
1食や1日だけで判断せず、1週間ほどの幅で食べられた食材や食事全体のバランスを見ると、
少し気持ちが楽になります。椅子に座れた、食材に触れたなど、できたことにも目を向けましょう。
多様な食材に繰り返し触れる
幼児期は、さまざまな食材に出会い、少しずつ食べられるものを増やしていく時期です。
一度食べなくても、見る、触れる、口に入れる経験を繰り返すことが、その食材に慣れるきっかけになります。
家庭で多くの食材を少量ずつ用意し、調理することが負担になる場合は、市販の幼児食を取り入れるのも一つの方法です。冷凍幼児食「cotote」なら全メニューを合わせると50種類の素材に出会えるため、毎日の食事に取り入れながら、子どもの食経験を無理なく広げられます。
1歳児が食べないときに避けたいNG行動
食べてほしいという思いからの働きかけが、かえって子どもの負担になることもあります。
食事を嫌な時間にしないために、避けたい3つの行動をご紹介します。
無理やり食べさせる
口に押し込んだり完食を強要したりすると、食事への抵抗感につながる可能性があります。
子どもの空腹・満腹のサインを尊重することが大切です。
食事のたびに叱る
食べないことを叱ったり、責めたりすると、食事そのものが嫌な時間になってしまう可能性があります。
食べた量だけでなく、椅子に座れた、食材に触れたなど、できたことにも目を向けると、食事の時間を前向きに捉えやすくなります。
お菓子で代替する
食事の代わりにお菓子を与えることが続くと、お菓子を待つようになる可能性があります。
甘いものを欲しがる場合は、さつまいもやかぼちゃなど、素材の甘みを生かした食品も選択肢です。
それでも食べない場合はいつ受診すべきか
体重が増えない、成長曲線に沿わなくなってきた、むせや飲み込みにくさがある、偏食が長く続いているといった場合は、かかりつけ医などの医療機関に相談する目安です。
水分がとれない、尿量が明らかに減っている、ぐったりしている、嘔吐を繰り返す場合は、速やかに医療機関を受診してください。
※不安な点がありましたら、お近くもしくはかかりつけの医療機関等へ直接ご相談ください。
まとめ
ここまで、1歳児が食事をとらない原因と対処法について紹介しました。
食べない理由は一つではなく、子どもの発達や食形態、生活リズム、体調などさまざまです。
子どもの様子をよく見ながら、できそうなことを少しずつ取り入れてみてくださいね。
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「cotote(コトテ)」は、全メニューを通じて50種類の素材が体験できる、彩り豊かな冷凍幼児食です。1歳から3歳になるまでの幼児期にさまざまな素材にふれることで、将来のゆたかな食生活につなげます。
丹治 みほ香(管理栄養士)
病院、企業、行政などで15年の実務経験を積み、現在はフリーランスとして、離乳食講座や地域の食育活動をはじめ、生活習慣病予防など幅広いライフステージの支援に携わっています。一児の母としての実体験も踏まえ、家庭で無理なく実践できる食情報をわかりやすく伝えることを大切にしています。
出典・参考資料
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